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meets プロフェッショナル

外側から見た働きごこち研究所って?
代表の藤野貴教ってどんな人?
各界を代表するプロフェッショナルが、
藤野について自由気ままに語ります。

INTERVIEW#001

優等生枠から抜け出して、
もっと訳分かんないことやってほしい

2016/10/05

インタビュー風景写真

そもそも、クリエイティブ
シンキングとは?

松林さん)MBAの歴史っておよそ100年あって、アメリカの東海岸のハーバードとかダートマスっていう大学院からできて。グロービスの創業者の堀義人がハーバードで学んだアメリカのビジネススクールの考え方を日本に持ち込んで20年くらい経って、っていうのがだいたい歴史的な背景。

今までのビジネススクールってどっちかっていうとロジカルシンキングを重視してきて、アメリカのビジネススクールに入るためにはロジカルな正しさを徹底的にチェックします。人間を工業製品とすると、MBAを出て優秀であると今まで認められてきた人っていうのは、正確に物事を考えられる人を大量に生産する装置として成り立ってきたというのがある。背景で言うと、産業革命が起き、大量にものをつくって大量にものを売ってコストを下げて多くの人に対してものを売るっていう成功式がこの200年の歴史観。そこにいま、僕たちが立ってますっていう背景。

僕自身の経験を言うと、ロジカルに考えられないとアメリカのビジネススクールに入れないから徹底的に教育を受けたっていうのが20年くらい前。ところが全てをロジカルに考えようとすることに、なんか違和感を持ったんだよね。ロジカルというか賢く考えられることの気持ち悪さみたいなものがあって。

それに気づいたのが、GMATっていうビジネススクールの入試試験で、満点を取るというのをひとつのゴールにしてたときに、僕は、読解力がすごく高かったの。いわゆる日本でいうと長文読解みたいな。当時でいうと、普通のアメリカ人よりも読解力が高かったけど、ロジカルシンキングは平均以下だったの。で、えーっと思って、もうちょっと勉強し始めて、あるときに高得点を取るコツというのがわかって、なにかというと、いわゆる感情というものをできるだけなくして、ロボット的にその試験を受けると満点に近づいていった。自分の中のロボット値を高くしてココロ値を下げると、論理力が向上するということに気づき始めた。

おもしろいなと思ったのは、試験は、定量的なものと、長文読解と、ロジカルシンキングっていうのがあって、試験によって出す自分っていうのを変えるとうまくいくということ。定量的論理的っていうのはものすごく計算的というか、心をなくしてただひたすら解くと高得点になる。長文読解は若干心の余地が入ってくる。作者はどう考えてるでしょうとか、いわゆる主観的に物事を考える余地が残ってる領域はもともと得意だったから。

その後たまたま縁があって、グロービスで教える側の人間になったんだけど。グロービスは当時日本でも流行はじめてきた論理思考を中心に日本に紹介して伸びてきた学校で、その最初のミッションがうまく当たって伸びてきた学校。

その時期がすごくターニングポイントで、それを機に高い論理思考性を持つ人が日本で増えてきた。論理性はビジネスの共通基本言語でグローバル化する世の中では必須。ただし、論理的に考える人を量産すると何が起きるかっていうと、人間のコモディティ化が進んじゃうというか、誰見ても同じこと言うじゃんみたいな。そのような背景があったときに、じゃあこれからどうしようっていう話のなかで、クリエイティブシンキングっていうのを僕と僕の仲間とでグロービスの中でつくって、それは論理的じゃなくって何でもアリの世界っていうか、心がほっとするみたいな。そういうところも大事だよねっていうのをけっこうグロービスの初期段階からやり始めて。論理唯一論者みたいな、頭がいいっていうのは論理的に考えられるところだよということに違和感を感じる人たちもいて、最近はその比率がどんどん増えてきてる。

人工知能が本格的に世の中に出てきたときに、論理的に考えられる処理っていうのはほとんど機械化できそうだねっていうふうになってきてて、さあどうしましょうと日本の世の中がちゃんと考えだしたのが去年(2015年)くらいかな。

論理って、誰もが納得できそうだっていう現在形の論理と、経験値というか過去コトバの論理があって。過去コトバというのは、俺は昔こうだったんだっていう、おじさんが多く語りそうな言葉。で、僕が興味があるのはココロ言葉というか未来形。10年後20年後どうしていたいかっていうようなところで、論理だけでは語れない。

クリエイティブシンキングってとても動物的な感覚で、これおもしろそうだよねっていうのを、まず日本のミドルマネジメント層にそういうことを話せる人が増えないと、日本って重苦しくてつまんない国になっちゃうというのがあった。今は、研修入ったりコンサル入ったり。グロービス大学院で教壇に立ったり、経営者や幹部の方々と、相談っていうか飲みながら話すっていうようなことをしてる。

インタビュー風景写真 インタビュー風景写真

藤野さんと初めて
会ったときの印象は?

松林さん)僕とふじのんが出会ったのは5、6年前で、ふじのんは当時コンサル業をやってたからもともとすごくロジカルに考えるということができた人。なんだけど、どういうわけかグロービスに来た(笑)。

顔がまず、その当時の顔と今の顔って変わってるよね。でもこのあいだ、ふじのんの昔からの知り合いの人は「今もたまに昔の藤野さんが出るときがある」って言ってた(笑)。例えば、いろんなインタビューとか会話をするなかで、あまりにも的外れというか、話が深まらないとだんだんイライラしてくる瞬間があるらしいんだよね。それで、我慢しきれずに「今のってこういうことだよね」ってまとめて相手にツッコミを入れるっていう。たぶん昔はその比率が高かった。今も、なくなってるかっていうと人間って100%生まれ変わることはないと思うからそういう素質も持ってるとは思うんだけど、その比率はすごく減ってきたよね。

思考の方向性ってタテ思考とヨコ思考があって、タテ思考っていうのは論理的効率的に考えるということ。ヨコ思考っていうのはどちらかと言うと豊かに楽しく考えること。大きくわけてそのふたつの方向性があって、この20年は日本でもタテ思考の人の比率がものすごく増えた。グロービスで出会った頃のふじのんもものすごくタテ思考だったから、クラスメイトに対して怒りというか、なんで気づかないんだっていう怒りもあったと思うんだよね。悪役を買って出てもこういうことは早くわかろうよっていうことはあったかもしれないんだけど、答えはこれだよねなんでわかんないのっていう。それは嫌味じゃなくて、彼からすると愛情で。こっちだから早くっていうことを言いたかったのかなって。

人の成長っておもしろいもので、タテの成長とヨコの成長が階段みたいになってて、論理的に鍛えられる時期も必要で、同時に広がりも必要だから、たぶん成長段階としてタテに行ったりヨコに広がったりといのがあって。僕自身も振り返ってみると一時期、学生の頃とか、小学校の頃とかむっちゃ論理的な時期があった。もちろん学校でそんな授業はないんだけど、なぜか急にそっちにハマった時期があって。その時期は相手と話してて妙に論理的になってるっていう自分にあとから気づくみたいな。それはなんか嫌だなと思ったり。そういうときはわかんない自分がそうなってることに。論理的が悪いっていう話じゃなくて、論理的には深めたほうがもちろんいいんだけども、それに全部を委ねるっていうのはすごくリスキー。

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藤野さんと関わる中で、
彼が変わったなと思った
時期ってありましたか?

松林さん)会うたびに変わったよね。会ったときの表情と、オーラめいたものが。ひとつは動物的っていうのと、わかりやすく言うと柔らかくなっていってる。アタマじゃなくて、身体性が豊かになってる。今後、世の中全体が人間のカラダの心地よさというのがより重要になってくるので、アタマの良さというよりもカラダが敏感になるっていうことが、人間として生き、ビジネスをする中でもそういうことが感じられることがより重要になっていくと思う、それはたぶん、ふじのんのカンでもあるんじゃないかな。考えるということにフォーカスを当てていた時代から、感じたり気持ちがいいという方向に変容したことが。

ふじのんは、めちゃくちゃ無理するっていうタイプではないけど、自分の人生で実験しているっていう感覚はあるよね。いい意味で客体化できているというか。人って変わっていける可能性があるのに、あるときからそれを諦めちゃうというか、できないと思っちゃう。だいたいそれって10代半ばくらいとか。大人になってから本質的に変わる人ってすごく少ないと思うんだよね。変容できる人。だから、ふじのんを見てると、自分で実験やってるよなって感じがすごくあるね。

今後、藤野さんに
期待したいことってありますか?

松林さん)もうかなりやってくれてると思うんだけど、例えば今だと、LGBTの人たちとなにかやったりとか、ロボホンとなにかしようとしてたりとか。彼はたぶん専門家というよりも、ものすごく現場を大事にする人だから、ロボホンとか実際の製品を使いながら自分が未来の未来ワーカーとして何ができるかを模索してると思う。理論というよりも、自分の経験値を使いながら未来をつくっていくっていう感じ。

人工知能に関しても、学術的に語れる人はこれから増えていくと思う。でも大事なことってそれって日々にどうやったら落とし込んでくるかっていうのは、学問とはまた違うから、そこの領域で突っ走ってほしいなって。

あと個人的な希望としては、もっとダメになってほしい(笑)。まだ彼の中には優等生枠ってのがあって、それが外れたらどうなるかわかんないんだけど、むちゃくちゃ無責任な希望として、それさえもなくなってほしいなって(笑)。気づいたらふじのんと最近連絡取れないじゃん、みたいな。

藤野)まだ優等生枠にいるよね。自分でもそう思うもん。

松林さん)うん。それが広がっていったときに、なにが起きるか見てみたいっていうのはある。どこ行っちゃったのかわかんないねとか。安定しすぎるとおもしろくない。だからもっと揺らして、どっち転ぶかっていうと、分からない方に倒れちゃうのは怖いんだけど、そっちにあえて行ってほしいし、そこからどう生まれ変わっていくのかを見たい(笑)。できれば僕のぶんまで実験させてほしいという感じ。僕もまだまだ常識に囚われてるから、だから時々、人を使って実験してみる(笑)。自分だけでやっちゃうとボロボロになっちゃうじゃん。だから、実験してみたらって投げかけてみてる(笑)。

ふじのんの実験の方向は、やっぱりもっとアート系にぐっと振るとか、今やってる、旅とか海とかってど真ん中だと思うから、放っといてもやる。だから僕たちが考えてないような、ぜんぜん違うことやる、そこ来たかーみたいなことを期待したい。すんごい刺繍やりだすとか。しかもむっちゃ凝ってる刺繍。あとは、道に座ってあなたのために詩を書きますみたいなのとか。(笑)今のフィールドとは全然違うところに1回行ってほしい。

うん、全然関係ないことを組み合わせたらいいかもしれない。それはふじのんさえも気づいてないし、やってみようとも思ってないことが入ってくるとめっちゃおもしろい感じはする。そこで幅は広がるよね。人っておもしろくて、ふつう、自分が考えてる予定調和になびいてくじゃん。それとは全然違うものにあえて行ってほしい。

藤野) まっぴーはみんなから変態って呼ばれてるけど優等生枠にいたことあるの?

松林さん) 今でも優等生枠だよ。優等生枠っていうか、狭間で生きてるわけじゃん。だから優等生枠から外れちゃうと落ちていくのがわかってるからギリギリを保ってる(笑)。落ちだすと人間早いんで、そこはやっぱり気をつけないと(笑)。そこは緊張感持たないといけないなって。だから自分の代わりにふじのんに落っこちてほしい(大笑)。

「ふじのんは、自分の人生そのものが実験なんだ」

松林博文さん
Hirofumi Matsubayashi

グロービス経営大学院教授
マーケティング3.0総合研究所代表

松林博文さんとのツーショット写真

日本メーカーの海外営業を経てミシガン大学経営学院修士課程修了(MBA)。卒業後、ジョンソン・プロフェショナルで中長期戦略立案、及び業務製品のマーケティングを行う。2001年より渋谷にあるUSENスタジオ(ビジネスブックラジオ)のパーソナリティーとして、数々の著名人と対談。現在は、国内外の経営大学院(MBA)で教鞭をとるかたわら、内外企業や、国・市町村へ総務省、国際協力機構などをつうじマーケティングに関するアドバイザーを務め、カンボジアや韓国などアジア諸国でも教鞭を取る。著書、共著書に「MBAマーケティング」「クリエイティブ・シンキング」「自分にかける魔法の言葉」など。
https://www.facebook.com/matsubayashi.hirofumi/?fref=ts

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